個人を没落させる程の損害に大きな保障を与えてくれると言った。
アダム・スミスが著書・国富論の中で述べた保険についての考え方
前に述べた(四ページ)ように、ミクロ的にみると保険者への危険の移転であるが、マクロ的にみると危険団体構成員による危険の分担である。1601年に制定されたエリザベス女王保険法の前文には、「保険によって……損害は少数の人に重くのしかからないで、多数の人々によって少しずつ分担される」と書かれているし、アダム・スミスも『国富論』2776年)において次のように述べている。
「保険事業は個人の財産に対して大きな保障を与える。そしてそれは個人を没落させるかも知れない損害を非常に多くの人々の間に分配することによって、その損害を社会全体の上に軽くかつ楽にかけるものである。」危険の分担を通じて、保険は次のような機能を果たしている。倫理的価値保険による危険の分担は、古くから、倫理的・精神的にすぐれた制度として評価されてきた。
たとえば、ベルギーのケトレーという人は保険について次のように述べている。人間がその絶えず脅かされてゐる災害を克服するため結合し助け合ふと云ふこと、繁栄の日に於ける僅かの犠牲によつて不幸の日に於ける有力な資源を準備すると云ふこと、それは一つの喜ぶべき道徳的なことであります。それは、キリスト教的仁愛の最初の義務の一つを完成することであります。(高野岩三郎訳『確率理論に就ての書簡』)また、イギリスのジョージ五世はロイズでこう挨拶している。300O年も前にある賢人が申しました。「二人は一人に勝る。何となれば、二人ならば転んだとき、手に手を取って立上がることができるが、倒れたときに一人だったときは助けてくれる誰もいない」と。
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本来、日本の相続税は、日露戦争期に戦費調達のために作られました。現在では、戦費のためではなく、国民の生活を維持するためや国の税収のために、課税されているのです。
【参考文献】木村栄一・庭田範秋編『保険概論(新版二有斐閣、1984年。木村栄一『ロイズ・オブ・ロンドンー知られざる世界最大の保険市場』日本経済新聞社、保険研究会編『新しい保険事業の在り方…保険審議会答申』財経詳報社、1992年。保険研究会編『保険年鑑』大蔵財務協会、毎年発行。1985年。聯1損害保険の意義鯵われわれは、日々、火災、交通事故、盗難、地震、水害など、数多くの危険にさらされている。
たとえば、火災は、平成三(199=年に5万4785件発生し、その火災で、1814人が死亡して、6908人が負傷している。また、明治33年ニューヨーク日本人会から時の皇太子(後の大正天皇)にご成婚を祝って贈られた電気自動車が紀伊国坂を試運転中に誤って皇居のお堀に転落したのが、わが国最初の自動車事故といわれ、人身事故としては、同39(1906)年自動車を運転していた医師が誤って時計店に突っ込み、通行人二人を負傷させたのが最初といわれる交通事故は、昭和45(1970)年ころをピークに減少しつつあったものの、最近再び増加傾向に転じ、平成3(1991)年には、発生件数66万2388件、死者数1万1105人、負傷者数81万245人にのぼっている。
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